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ボート用プロペラについて

プロペラは、エンジンと水との重要な接点です。エンジンの動力を受けて、プロペラはボートを前方、または後方に動かします。プロペラが無ければボートは動くことができません。プロペラには翼(ブレード)があり、回転した時にブレードの一方に吸引する力を、他方に押出す力を発生させてボートを進行させてるように設計されています。これらの圧力により水は前方から吸い込まれ、後方に加速して送り出します。
しかし、プロペラに最良の働きをしてもらうためには、どんなプロペラを持って良いわかではなく、適切なプロペラの選択が必要となります。適切なプロペラの選択がそれほど難しくありませんが、ボートを動かす目的(魚釣り、ボーティング、クルージング、レースなど)に合わせて選択しなければなりません。もしくはトーイングとして(水上バイク、ジェットスキー、ウェイクボードを引っ張る)ボートを使用したり、積荷や負荷が軽いものから重いものまで変わる場合には、2つの異なるプロペラを使い分けた方が良い場合もあります。ボートがどのような水域(淡水、海水、塩気のある場所)で使用するかによってもプロペラの最適な素材が決まります。万一プロペラが損傷した場合は早急に対応できるようにスペアのプロペラと工具をボートに乗せておくことをオススメします。

プロペラの基本的な部分

プロペラの部分名称
(A)トレーリングエッジ
ブレードの部分としてはボートから最も離れています。範囲はブレードの先端から付け根までとなります。

(B)排気通路
アウターハブとインナーハブの間の中空部で、ここを通してエンジンの排気が水中に排出されます。

(C)ブレードの背面
ボート側の面で、ブレードの負圧側になります。

(D)ブレードの先端
プロペラハブの中心から最も遠いブレードの部分でリーディングエッジとトレーディングエッジの分岐点になります。

(E)カップ
トレーディングエッジ上についている小さな曲面の部分で、プロペラが水を捉えやすくします。

(F)リブ
アウターハブとインナーハブの接続部分で通常は3個あります。

(G)リーディングエッジ
ブレードの部分としては、ボートに最も近くにあり、水を切り込む部分です。範囲はブレード先端から付け根までとなります。

(H)アウターハブ
水に直接触れる部分で、ここにブレードが付いています。

(I)インナーハブ
内側に衝撃をを吸収するゴム製のラバーハブが入っています。

(J)ブレードの前面
ボートと反対側のブレードの面で、ブレードの正圧側になります。

(K)フロートルクハブ
プロペラの駆動系を保護し、ギアシフトする際、ギアとクラッチ機構との間に起こるシフトショックを緩和するためにたわむようになっています。

プロペラのダイア

プロペラが回転した時、ブレードの先端が描くの円の直径をダイヤと言います。プロペラハブの中心からブレードの先端までのサイズの2倍の数値。

プロペラのピッチ

プロペラピッチとは、プロペラが1回転ですすむ理論上計算した距離のことです。例えばプロペラに13×21と記載されていれば直径が13インチ(約33cm)で、ピッチが21インチ(約53cm)です。理論上はプロペラ1回転で21インチ前進します。
ただし、実際のプロペラピッチは刻印しているピッチと異なる場合があります。原因としては、プロペラの鋳造および冷却工程でわずかなゆがみです。あとは、メンテナンスで修正や調整することによってピッチが変わってしまうこともあります。

プロペラの材質

ステンレス
ステンレス製のプロペラの最大の特徴は、強度が非常に高いことです。強度はアルミ製の約5倍と言われています。アルミ製のプロペラでは短期間の運転後に小さな傷や曲がりが発生しやすく、水抵抗が大きくなって性能が低下します。それに比べて、ステンレス製は強度と耐食性に優れています。150馬力以上の船外機には、ステンレス製のプロペラが推奨されます。


X7合金
X7合金製のプロペラはステンレス製に比べて強度が30%高く、耐久性は約4倍です。抜群の加速性、トップスピードを求める船外機に搭載してアグレッシブな操船が可能です。200馬力以上の船外機をセットした、バスボート、ベイボート、フラットボート用に、トップクラスの性能を発揮するよう設計されています。

アルミ
アルミ製のプロペラは、船外機及び、スターンドライブに使用されています。アルミは比較的コストが安く、コストの割りには強度と耐食性が良く、修理も簡単です。多くのアルミ製のプロペラは、砂型ではなくダイキャストで製造されます。また、耐食性を良くするためにプロペラを塗装して保護します。

プラスチック
プラスチック製のプロペラは、アルミ製よりも衝撃に強く、重量は約半分です。電気化学的に完全に不活性で腐食されず、グリス、オイル、燃料及びバッテリーの酸にも侵されることがありません。プラスチック製は、電動船外機や低馬力のガソリン船外機に使用されます。

プロペラのブレード

プロペラのブレード(羽根)は、数が少ないほど効率が良いと言われています。3枚、4枚とプロペラのブレードが増えるにつれて振動が減少します。一般的なボートには3枚ブレードが使われています。

プロペラの回転

プロペラには右回転用(RH)と左回転用(LH)があります。大部分の船外機やスターンドライブ用のプロペラは右回転用です。プロペラの回転方向を見分け方は、前進ギアでプロペラを回転させて後ろから見ると回転方向がわかります。RHプロペラは時計回りに、LHプロペラは反時計回りに回転します。

プロペラとボートの組み合わせ

水上スキー
水上スキーヤーの牽引にはできるだけエンジンの馬力を引き出すためにピッチの小さいプロペラを選びます。加速の初めのエンジン回転数が高いほど、より大きなスラストが発生し、スキーヤーをより早く水上に引き上げ、ボートをスムーズに滑走されることができます。一般的にピッチを2インチ下げるごとにスラストが約10%増えます。スキーヤーを牽引しない時には、エンジンの回転数が連続して全開最高回転数を超えないようにタコメーターに注目して運転することが重要です。エンジンの回転数を最高推奨回転数以上に上げることはアンダープロッピングと言います。

クルージング
クルージングが特に加速性は必要としないため、ピッチの大きなプロペラをを選ぶことによって燃費を良くしてエンジンの摩耗を減らします。また騒音のレベルを下げることができます。大抵のエンジンは、推奨範囲の上限よりも下限の回転数のところの方が燃費が良くなります。エンジン全開で回転数範囲の下限以下(オーバープロッピング)にならないように、タコメーターを確認して運転します。

魚釣り(フィッシング)
魚釣りの場合は、低出力のエンジンを使用します。普通は2枚ブレードのプロペラの方が、スピードが出せて、かつブレードの端の形状がなめらかなので、雑草の付着も少なくなります。ボートが重い場合は、3枚ブレードのプロペラの方がスムーズで性能も良くなります。フィッシング用に使用されたプロペラは、浅い所でボートを運転することが多いので、キズつき安くなります。ザラザラになったエッジ部分がヤスリ掛けをして調整すれば、性能を維持することができます。ヤスリ掛けをすればするほど、プロペラの寸法は小さくなるので、ボートがうまく滑走しない場合は、プロペラの交換をオススメします。

バスフィッシング
バスボートは非常に重要で特殊な用途になりました。バス釣りトーナメンターのあらゆる要望に合わせるために、幅が狭くなっている傾向にあります。一般的にはV型ボート、平底ボートがあります。先端が尖り波を左右に分けて進むのがV型ボートで、先端が平らで波を乗り越えるようにして進むのが平底ボートの特徴です。バスボートは付属設備の積載とイケスの重量があるため、回転数範囲の上限でエンジンを可動させるプロペラを選定しなければなりません。

プロペラの特定

船外機のモデル名(船内外機ならドライブ名)、ダイヤとピッチ(シャフト船ならシャフト径)、材質、プロペラの回転方向がわかれば、適切なプロペラの特定はできます。また、型式とシリアルナンバーを知っていればプロペラだけでなく、その他のメーカー純正部品を調べることができます。ただし、しばらくプロぺラを使い続けていれば経年劣化によって刻印が削れて見えなくなってしまうことがあります。ご自身でメモしておく、船舶検査手帳などと一緒に保管しておくことをオススメします。

MERCURY製プロペラ

船外機メーカーとして定評のあるMERCURY(マーキュリー)のプロペラがオススメ!